児童虐待問題の背景には格差社会、経済問題があります
児童虐待から考える
~社会は家族に何を強いてきたか~
12月7日ルポライターの杉山春さんの講演をお聞きしました。
ここ30年の間に児童虐待が急増しています。何が原因か、具体的事例をもとに検証されていました。
1、児童虐待は社会の変化と連動する
1990年より就労形態が変化し、経済の悪化とともに、格差が深まり、評価によって自身の居場所を確保する社会となったことが背景にあります。
1985年 労働者派遣法
1990年代大手企業の請負労働
2003年の製造派遣の解禁
アジア通貨危機と就職氷河期
2008年リーマンショック
これらによって人の市場化が進み、不安定な就労により、経済格差がうまれ、
子育てに必要な時間とお金が確保できなくなる、それが虐待へとつながる大きな要因です。
昔は企業が家族の社会保障を担い、社員とその家族を守っていましたが、今では経済の悪化に伴い、人の市場化により、非正規雇用を増やし、企業の利益優先となり、格差が深まっています。
このような中で社会が何をすればよいか、
家族の機能を助けることが必要であるということでした。
人に温かい社会になるよう制度改革が必要です。雇用形態、企業の社員に対する考え方を見直していかなければ、児童虐待だけでなく、少子化問題も解決できないと痛感しました。